【Hi-STANDARD】
    2017年のまったく新しいHi-STANDARD

    Hi-STANDARDの18年振りとなるオリジナルアルバム『THE GIFT』がリリースされた。痛快なパンクロックに喜怒哀楽と嘘のないメッセージを詰め込んだ楽曲たちは、ハイスタを知らない若い世代にも必ず響くだろう。全ロックファン必聴だ!

     Hi-STANDARDの最新アルバムが出た。夢じゃなかろうか?と思うが、本当のことだ。アルバムとしては1999年6月にリリースされた『MAKING THE ROAD』以来だから、実に18年振り。今、こうしてハイスタが再び活動して、新作をリリースするなんて、当時を知ってるファンにとってはあり得ないことだし、若いロックファンにはピンとこないかもしれないが。実際にこうして再び3人が集い、他のバンドでは絶対に替えのきかないハイスタ・サウンドを鳴らしている。それもよくある再結成のような古いロックの刷り直しではなく、現役バリバリの若いロックバンドに負けない、初期衝動のような勢いと新鮮さにあふれた、ハイテンションで痛快なパンクロックだったのだから嬉しくなってしまう。
     2011年、東日本大震災のあとに開催された『AIR JAM 2011』で活動を再開してロックファンの度肝を抜き、昨年10月には16年半振りのシングル「Another Starting Line」をサプライズリリースしたことも記憶に新しい。そして、同年12月にはカバーシングル「Vintage & New, Gift Shits」をリリースし、継続的に続く活動に“もしかして…?”という嬉しい予感もあったが、今年7月に街灯看板で『THE GIFT』のリリースが発表された時は、その嬉しすぎるギフトに、僕を含むファンは狂喜乱舞した。フラゲ日にアルバムを入手した僕は家に着くまで待ち切れず、電車の中で封を開ける。こんな気持ち、いつぶりだろう?とワクワクしながら家に着き、早速CDを再生。1曲目「All Generations」を聴いた瞬間、初めてハイスタを聴いた20年前の感覚がフラッシュバックした。胸の高鳴りが止まらなかった。そこからはボーナストラックを含む全16曲、興奮したり、感動したりと感情を揺さぶられながら夢中で聴いた。そして、聴き終わったあとに心底驚いた。18年待った最新作が、大きく膨れ上がった期待をはるかに上回る作品だったからだ。
     新たな所信表明を歌う「All Generations」、ファンへの贈り物というだけでない“GIFT”の意味にハッとする「THE GIFT」、フェイク野郎への怒りを歌った「Going Crazy」、抜群のカバーセンスで聴かせる「My Girl」、大人になってしまった自分たちを歌う少しセンチな「We're All Grown Up」、美しく壮大にアルバムを締め括る「Free」…と、タフでシンプルなパンクロックで表現する喜怒哀楽、そして嘘のないメッセージはどれもが感情に直接訴えかけてきたし、どれもがハイスタ楽曲の真骨頂だった。個々が積み重ねたキャリアやスキルも惜しみなく発揮し、飾ることなく現在を鳴らす3人は揺らぐことのない強い意志と信念を持つ、僕らのよく知るHi-STANDARDでありながら、2017年のまったく新しいHi-STANDARDでもあった。ライターとしてどうかと思うが、今作に関しては言葉を重ねるほどに嘘っぽくなってしまう気がするので、まだ聴いていない人はとにかく聴いてほしい。18年振りのアルバム云々とか関係なく、何も知らない若い世代にも必ず響く楽曲がそこにあるから! 間もなく、自身初のアリーナ公演も含む全国ツアーが始まる。ライヴ会場で観る、最新型のHi-STANDARDも楽しみで仕方がない。

    文:フジジュン

    アルバム『THE GIFT』2017年10月4日発売 PIZZA OF DEATH RECORDS
      • PZCA-81
      • ¥2,500(税抜)