【酸欠少女 さユり ライヴレポート】『夜明けのパラレル実験室2017
    〜それぞれの空白編『  』〜』
    2017年11月24日
    at TOKYO DOME CITY HALL

    果たして課された空白に
    何が埋められたのか…?
    さユり、初のホールライヴで
    見えた「空白」

     “酸欠少女”さユりが初のホールライヴを行なった。それは、舞台一面の透過スクリーンに、曲毎に歌詞や歌世界を可視化させた映像や、浄化性あふれる演奏、高い天井を利用した照明等が、彼女の直線的に響く各曲と相交わり、集まった者たちを終始各人なりの歌世界に佇ませたのも印象深い一夜であった。

     今回の副題は空白編。それは彼女の「十億年」内のリリックの一部を想起させた。鋭角ながらも聴き手に想いを重ねさせ、添えさせる彼女の歌たち。集まった各人がライヴ後に、その空白に何を埋めるのか?にも興味が募った。

     歌の可視化を助力するバンド演奏とともに、アコギを持った、あどけなさと凛とした面を共存させた彼女の歌声が、曲毎に我々に問い、観取させ、頷かせ、願わせ、想いを馳せさせた、この日。それでもあなたと共有したいと、“この気持ちよ、伝われ!!”とばかりに放たれた「ミカヅキ」、“分かり合いたい!!”と願うように感情的に歌った「光と闇」等に各人が自身の想いを重ねていく。この日は2018年2月28日発売のシングル曲「月と花束」も披露された。「月と花束」はエモーショナルに駆け抜けていくが如く響いた音楽性が印象深い。

     後半はノリの良い曲の連射だった。「るーららるーらーるららるーらー」が勇ましく進むと、跳ねるリズムが会場をバウンスさせた「ふうせん」、やっと巡り会えた感あふれる「十億年」では、とてつもない生命力が会場中に満ちていった。

     終演が来ても、私の場合、タイトルの空白は空白のままだった。そこに当てはめるべく言葉が無数すぎてひとつに絞り切れなかった。時間や場所、状況により感受が変わる彼女の歌。ただひとつ言えたのは、大勢の中で聴く彼女の歌は、同じ気持ちになっている人たちとともに居た。

    撮影:北村勇祐/取材:池田スカオ和宏

    ※セットリスト非公開