L→R ササキジュン(Gu)、きみコ(Vo&Gu)

    L→R ササキジュン(Gu)、きみコ(Vo&Gu)

    【nano.RIPE インタビュー】
    良い意味でのJ-POP感がある
    nano.RIPEの新代表曲

    TVアニメ『citrus』OP主題歌「アザレア」を筆頭に、恋愛をモチーフにしたニューシングル「アザレア」はアレンジ面でも新しいサウンドに挑戦! きみコ(Vo&Gu)も“新たな代表曲ができた”と話すほど、新鮮さを感じさせる。

    表題曲「アザレア」は女性同士の恋愛を題材にしたTVアニメ『citrus』の主題歌とのことで、チャレンジでしたね。

    そもそもnano.RIPEには恋愛を歌った曲がほとんどなくて、しかもアニメは女性同士という特殊な設定だったので、どうしたものかと最初は悩みました。でも、考えてみれば同性に限らず、許されない恋のかたちはたくさんあるので、幅を広げて考えていきました。

    作詞はきみコさんですが、タイトルは花の名前ですね。

    アザレアはピンク色の可愛い花で、花言葉は“初恋”とか“愛される喜び”です。『citrus』の原作を読むと、登場人物たちは手をつなぐことでさえ、よりいっそうの喜びを感じていて。許されない恋であればあるほど、愛される喜びが大きいんじゃないかなと思って、この花を選びました。

    許されない恋であってもいいんだよと?

    誰かを選ぶということは、必ずどこかで人を傷付けていることになる。そもそも全員が幸せになれる選択肢がないのだから、誰かを傷付けても自分が“これだ!”と思ったものを選べばいい。曲の最初のほうで、そういう答えを提示しています。サビ頭の《道なき道を行こう 初めてを捧げよう》という歌詞のフレーズも曲全体の肝かなと思いますね。

    楽曲のアレンジもいつものnano.RIPEとはまったく違った雰囲気になっていますね。ストリングスで引っ張っていて、ギターがめちゃめちゃシンプルという。

    今回はレコーディングでもギターの本数が少なくて、作曲のササキジュン本人も“あれ? こんなに弾いてなかったっけ?”と言っていたほどです(笑)。以前からこういうアレンジにチャレンジしてみたいと思っていて、曲自体は前からあったんですけど、あたしがnano.RIPEらしくないからと出すことに抵抗していたんですよね。でも、今回のタイアップには合いそうだし、実際にやってみたらnano.RIPEの新たな代表曲ができたと自信を持って言える曲になりました!

    マイナー調のメロディーもシンプルでスッと歌えそう。

    前シングルの「虚虚実実」はメロディーがすごく難しくて歌うのも大変でしたけど、「アザレア」は思わず口ずさみたくなるキャッチーさがあって、きっとみんなも歌いやすいと思います。良い意味でのJ-POP感があると思うし、歌っていても気持ち良くて、自分の中でもはまりました。

    今回のシングルは「アザレア」をはじめ、カップリングの2曲も今までのnano.RIPEにはなかった曲調で、まさにチャレンジした一枚になっていますね。それは、2018年の意気込みの表われみたいなことですか?

    そういうのもあります。「アザレア」ではストリングスを全面に入れたし、2曲目の「最終前」のようなミディアムテンポはあまりやったことがなく、さらに3曲目の「スターハンター」ではシンセを前面に押し出しました。歌詞では「アザレア」で今まであまり書かなかった恋愛の歌詞を書いたことで、今回のシングルでは一枚まるまる恋愛を歌ったシングルにしようと思いました。

    全曲恋愛の歌詞ということで、「最終前」は終電前の女の子の気持ちを歌っていますね。

    この曲は結構前に作った曲で、歌詞も当時に書いたものなんだけど、終電直前の瞬間を切り取って描いてます。実は自分の経験をかなりストレートに書いているのでちょっと生々しすぎて、メンバー内での評価は高かったんですけど出せずにいて…。でも、時間が経ったことで生々しさが若干薄まり、ようやく歌えるようになりました(笑)。

    そして、もう1曲の「スターハンター」はシンセが大々的に使われていて、前半にほとんどギターが出てこないのもバンドとしては大胆なアレンジですね。

    「アザレア」と一緒に出した候補曲だったんですけど、「アザレア」がタイアップに決まったことでアレンジ面では自由になって。で、やるならいっそ徹底的にと思って、1コーラス分まるまるシンセを押し出しました。何ならドラムも打ち込みでいいんじゃないかと思ったくらい。

    これも歌詞は恋愛の歌なんですよね。

    空をモチーフに、恋愛の相手に例えたり、空を見ている人に恋をしているという感じで書いています。歌詞に《欲しくて仕方がないんだ》と出てくるので、“欲しがり=星狩り”ということで“スターハンター”というタイトルを付けました。

    ちなみに、今まで恋愛の歌詞を書かなかったのはなぜ?

    自分のことを歌おうとすると、どうしても愛とか恋とかよりも生き方とか哲学みたいなものを歌いたくなってしまって。あと、フィクションで書ければいいんですけど、それができないので生々しくなりすぎちゃって、それを人に聴かせることが恥ずかしかった。

    “バンド=男らしさ”みたいな考えもあるんでしょうか?

    あると思います。小さい頃から男の子の中に女の子ひとりで混じってスポーツをやっていたので、バンドでも男に負けないようにという気持ちが強くて。恋とか愛を歌うと自分の弱い部分が出てしまうので、抵抗があったんだと思う。

    今作はそういう気持ちも少し軟化して、マインドの成長が感じられる第一歩というシングルですね。

    はい。恋愛の歌はまだ少し照れ臭さはありますけど、こういう曲も徐々に増やしていけたらと思っています。アレンジについてもそうですけど、バンドも20周年ですし、頭を柔らかくして楽しんでやれたらいいなという気持ちです。

    また、2月には流田Projectと2マン、3月にはЯeaLのイベントに出演。他バンドとの交流も増えていきそうですね。

    昨年はメンバーチェンジもあってバタバタしていたのですが、やっとバンドとしてのかたちが落ち着いてきたので、今年は新しいお客さんの前で歌う機会をどんどん増やしたいです!

    取材:榑林史章

    nano.RIPE プロフィール

    ナノライプ:前身バンドを経て2004年にnano.RIPEとなり、地元である千葉・東京を中心に本格的な活動を開始。08年、インディーズレーベルよりミニアルバム『空飛ぶクツ』を発売。草野マサムネ(スピッツ)など多くのアーティストから推薦コメントが寄せられ、話題となる。10年、Lantisよりメジャーデビュー。その後、メンバーチェンジを経て、現在はきみコとササキジュンのふたり編成で活動を続けている。nano.RIPE オフィシャルHP

    L→R ササキジュン(Gu)、きみコ(Vo&Gu)
    シングル「アザレア」