L→R MAKOTO(Ba)、TOSHI-LOW(Vo)、RONZI(Dr)、KOHKI(Gu)

    L→R MAKOTO(Ba)、TOSHI-LOW(Vo)、RONZI(Dr)、KOHKI(Gu)

    【BRAHMAN インタビュー】
    “梵”という言葉を、
    今使ってもいいんじゃないかな

    BRAHMANが完成させた5年振り、最新にして最強のアルバム『梵唄-bonbai-』。5年分の既発シングルに加え、再録音の「天馬空を行く」、スカパラホーンズを迎えた「怒涛の彼方」など新アレンジ、さらに4曲の新曲も加えた至高の一枚についてTOSHI-LOW(Vo)に訊いた。

    何と言うのか、初めて聴いた時からスッと体に馴染むような感覚のアルバムだと思いました。

    スッと入るでしょうね。それはたぶんアルバムを作ることに対して、新しいものを持ってきたわけじゃないから。もちろん新しいことに対して貪欲でいたい気持ちはあるけど、もともと俺たちは新しいことをやるために新しいことを取り入れたいとか、最新のものでバージョンアップしたいという考え方ではないので。ただ、自分たちの手の中にあるのに見えてなかったものが、もしかしてあったんじゃないか?とか、時代の流れによって昔は恥ずかしいと思ったものが今の歳だったら落ち着いてできるなとか、そういう状態に成れてきたというか。それは発見なのか再発見なのか、これこそが新しいことなのかと思ってますね。

    耳馴染みのある曲が多いせいもあると思うんですけどね。シングルは全部入ってるし、カバー曲の「満月の夕」も含めて12曲のうち8曲はよく知ってる曲だったので。

    おっしゃる通り、知らない曲が少ないアルバムなんですよ。でも、素直にこれが俺たちの5年なんだと思うし、ただ知らない4曲に対しては自分なりに何年分の苦労もしてるので。たった1行の歌詞を書くのに、書いては消して書いては消しての繰り返しだから。アルバムに知ってる曲がたくさんあるから内容が薄いということではないと思うし。

    そういう意味で言ったんじゃないんです。1曲目を飾る新曲「真善美」は歌詞も演奏も本当にすごいし、これぞ5年かけて研ぎ澄まされたものだと思うし。

    出ましたね、これは。

    《一度きりの意味を お前が問う番だ》、素晴らしいと思います。

    自分たちの要素しかないけど、自分たちの要素の中で新しいことしかやってないのが、実はこれなんですよ。聴けば、やれオリエンタルなギターとか、みなさんが今までBRAHMANに対して言ってたような説明になっちゃうんだけど、このリズムは「天馬空を行く」(2016年3月発表の配信限定シングル)や「ラストダンス」(2017年4月発表のシングル「不倶戴天」収録曲)でトライして、やっとちゃんと歌えるようになったというか。細かいことは、自分たちの中ではこの5年で得た新しいものがいっぱい使われてる。

    新曲の「雷同」にはハードコアの、「EVERMORE FOREVER MORE」にはメロディックパンクのルーツを強く感じました。改めてBRAHMANはここから出てきたんだなって。

    “ロックンロールとして楽しんでほしいんだよね”みたいなことを言う人って多いと思うけど、俺は全然違ってて。体質的にはパンクやハードコアの中で生まれたもので、最終的には異端児扱いされようが、そこのラインに乗ってたんだよね。だから、それに対してBRAHMANはパンクやハードコアじゃねぇと言われても堂々と受け止めますよと。“じゃあ、おまえのパンクやハードコアを見せてみろよ。比べてみようぜ”って、そこには自信があるんで。本当の意味のハードコアをやってる人たちに対するリスペクトもあるし、俺らがハードコアとか言っちゃうなんてとか、そういう気持ちももちろんありますよ。ただ、俺たちなりの“好き”は誤魔化す必要がない。それもこの5年のタームで知ったことじゃないかな。

    もう1曲の新曲「AFTER-SENSATION」もすごくBRAHMANらしいですよ。あまりに展開が激しすぎて、どうやって作ったのか全然分からない。

    一番始めにどうやってやったのか、誰ももう覚えてない(笑)。いわゆるビートダウンをしてみたくて、BPMが遅くなるわけじゃなくて重たくなるみたいなことをどうやったらできるかなと思ったところからやり始めた曲ですね。それと、もともと自分たちが持ってる素っ頓狂な部分、ウワーッてなる部分とメロディーがある部分、エモい部分と笑っちゃう部分とみたいな、そういうものを上手く合わせられないかなって思ったんだけど、自分でもこれは変な曲だと思う(笑)。でも、こういうのが自分たちっぽいんだなと思うし、自分たちでしかできない音楽を作ってみたいんで。パンクやハードコアのルーツは大事にしたまま、それがこんな極東に来てガラパゴス化して、独自の進化をして、これを何と呼ぶのか分からんみたいな、そういうものを作ってみたいんで。それがこういう曲に集約されてくるのかもしれない。

    その上で「今夜」「ナミノウタゲ」みたいな、あえてポップスと言ってもいいような美しいメロディーの曲も入ってるという。

    それも持ってるものですからね。だから、1曲の中に詰め込むこともできるけど、こうやってアルバムになると1曲ごとを総括して自分たちになるので。言えば、今までのアルバムを全部並べて、それが自分たちかなって思う、その感覚がどんどんでかくなってくるから。もちろんいろんな意見はあるだろうし、このアルバムを聴いて言われることは予想がつくし、昔のほうが良かったという人たちもいるだろうけど、それに対する答えはとっくにあって。“いつでも昔に戻ってやるよ。おまえが戻るならな”って。“おまえがあの頃のリスナーに戻るんだったら俺も戻ってやるよ。でも、戻れないだろ?”って。じゃあ、お互い今何をすべきか考えようよっていうこと。

    BRAHMANのファンは絶対に分かってますよ。それにしても“梵唄-bonbai-”っていいタイトルですね。意味は仏教用語としてちゃんとあるけど、素直に“BRAHMANの唄”という意味に僕は受け取ってます。

    アルバムを5〜6枚出して、いきなりバンド名を付けるバンドっているじゃないですか。何でだろう?と思ってたけど、でもね、その意味がちょっと分かった。何で今さら?ってちょっと笑いつつも、バンド名を付けたいなっていう気分になった。“梵”という言葉を今使ってもいいんじゃないかなって、思ったんだよね。

    取材:宮本英夫

    BRAHMAN プロフィール

    ブラフマン:1995年、都内を中心にライヴ活動をスタート。96年に『grope our way』を発表(現在廃盤)。1stアルバム『A MAN OF THE WORLD』がインディーズ史上、異例の60万枚以上のロングセールスを記録。徹底した激しいライヴスタイルとその存在感は他の追随を許さないバンドとして、熱狂的にオーディエンスやバンドから支持されている。2018年2月には日本武道館での単独公演が決定している。BRAHMAN オフィシャルHP

    L→R MAKOTO(Ba)、TOSHI-LOW(Vo)、RONZI(Dr)、KOHKI(Gu)
    アルバム『梵唄 -bonbai-』