阿部真央

    阿部真央

    【阿部真央 インタビュー】
    “自由にやってみよう”という
    スタンスとしての原点回帰

    ポップでエッジが効いていて、洗練された大人の香りも漂わせている。けれど、ユーモアも忘れない。ニューアルバム『YOU』は今の阿部真央の“粋”が鳴り響く、音と言葉と声色が織り成す新たな世界。“みんなと楽しい時間が作れたら嬉しい”という約7年振りのライヴハウスツアーに向けても必聴!

    27歳のひとりの女性の気持ち
    その変化がすごく表れている

    “カッコ良さ”というところでとらえるなら、これまでの作品の中で一番カッコ良いアルバムだと思いました。そして、前アルバム『Babe.』はかなり重みのあるものでしたが、今作はどれをシングルにしてもいいような楽曲が詰まっていて。ご自身はどのような想いで制作に臨まれたのでしょうか?

    今回もこれまでと一緒で“その時にできたものを収録しよう”というスタンスだったので、特に“こういうアルバムにしよう!”とかは思わなかったです。だから、毎度のごとく“今の私”…“今”というか、正確には去年のツアー後の私のテンションみたいなものが表れているアルバムですね。でも、客観的に見ると、さっき言ってくれたみたいに前アルバム『Babe.』は結構重めな、かつ母親になった気持ちみたいなものを表していたんですけど、今作は打って変わって27歳のひとりの女性の気持ちの変化…特に恋愛においてのそういうものがすごく表れているなって。

    先行配信されたリードシングル「K.I.S.S.I.N.G.」は久々にキュートにはっちゃけた阿部真央がMVでも表現されていましたが、あれもツアー後のテンションが表れたものですか?

    そうですね。恋愛の一番楽しい時に浮かんできたっていうのもあるし。あと、ファンの人たちがライヴでクラップできたりとか、簡単に口ずさめるようなキャッチーなシングルが最近なかったので、『Babe.』を経てのシングルとしてはいいんじゃないかなと思って書き上げました。

    じゃあ、バシッと意識的に切り替えるというよりは、自然な流れでここに至った感じですか?

    そうですね、至って。切り替えようとは思ってなかったです。

    それしてにはとても潔い感じがします、このアルバムは。

    そうですか? あっ、でもね、確かに何かが変わった感じはしましたね。前作を経て、いろんなことが怖くなくなったんですよ。前回、ドン!と暗いアルバムを出して…それまで出した中で一番個人的なアルバムでもあったし。でも、チャレンジしたことが多かった…歌詞の書き方もそうですし、アレンジも。いろんな視点からいろいろ試したアルバムだったので、それを出したことで怖くなくなったのかな。どういうふうに見られるか?とかね。だから、“自由にやってみよう!”と。で、恐れがなくなった時に“あっ、デビューした時もこんな感じだったな”と思い出したんです。そういう意味では、より原点回帰というか。“こういうふうにしたらカッコ良いと今の私は思っているから、それを素直にやろう!”というモードですね。“自分がやる”ということに対しての自信も持てていたので、『Babe.』を出した時より…その前からするともっと変わったと思います。

    その自信は“怖くなくなった”とイコール?

    そうですね。だから、写真ひとつ撮られるにしても、以前だったら“あー、上手くいかなかったなー。自分がまだまだできないからなんだ”って自信のない私は思っていたんですけど、そういうのもなくなったので。“自分というものがこういうふうにここに出ているだけだ”みたいなね。向き合うようになったのかな、自分と。で、自分の至らないところとか、自分のありのままみたいなものを1回受け入れようって思うと、逆に自信が出てくるっていう不思議なことは起きてましたね。

    さっき“原点回帰”とおっしゃいましたけど、このアルバムを聴いて最初に浮かんだのが「ふりぃ」(1stアルバム『ふりぃ』収録曲)だったんですよ。あの曲の鮮烈さ、勢い、怖いものなしの堂々たる姿勢を。

    えー、嬉しい。じゃあ、私の“原点回帰だと思います”という感想は、あながち間違ってなかったんですね。

    でも、元に戻っているわけではなく、進化した上での。

    ですね。スタンスが、ですから。積み重ねてきたものは確実にあるから。

    それでいて、その積み重ねたものに寄りかかっていないというか。

    それは嬉しいですね、しがみ付いていないというのは。