寿君

    寿君

    【寿君 インタビュー】
    レゲエシーンの入口になりたい

    SPICY CHOCOLATEとのコラボなどを経て、関西から全国へと進出するべく、メジャーデビューを果たした寿君。待望の1st EP『一人じゃない』は、彼の今後への決意とメッセージが詰め込まれた力強い一枚に仕上がっている。

    デビューEP『一人じゃない』がついに完成しましたね。

    今は大きな達成感とともにメジャーデビュー作という大きな一歩になるので、改めて心の靴紐を締め直して頑張ろうという気持ちでいっぱいです。この作品をきっかけに、僕の音楽を知らなかった人にも聴いてもらいたいし、何より僕の作品をきっかけにレゲエというジャンルに興味を持ってもらいたいんですよ。その先で僕よりもコアなこと、素晴らしいことをしている人たちの音楽に手が届くようになれたら最高だと思っています。そうすることでレゲエ全体の底上げができたら嬉しいんです。

    どんなジャンルにも入口は絶対に必要ですからね。

    そうなんですよね。僕自身、大阪だけで活動していたころは、関西のことしか知らなかったんです。その時は作詞作曲、さらにプロデュースも全て自分でやっていたので、やはり限界を感じることが多くて…。そんな時にSPICY CHOCOLATEの活動に参加して、ものすごく大きな可能性を感じたんです。その時にすでに30歳も超えていたので、“これはうかうかしてられへん!”と思い、理想の自分になるためには新たな一歩を踏み出さなくちゃいけないと、自ら行動に移したんです。それからは事務所に所属し、メジャーデビューという夢を掴み、最高のバッターボックスに立つことができたので、これからは向かってくる球をガンガン打ち、ホームランを狙っていく気満々です!

    30歳を超えると視界も考えも変わってきますよね。

    かなり変わりました。20代はどうしたって生意気ですし、“俺らの世代が変えてやる!”と思ってしまいがちなんです(苦笑)。それがリリックにも反映されるからこそ鋭利な曲ができるので、その良さもありますが、決してたくさんの人に向けての曲には仕上がらないんですよ。でも、その時に思っていた素直な想いをリリックにしているからこそ、過去の自分と向き合うこともできるんです。このEPに収録されている曲も、まさに“今の寿君”が詰まった嘘のないドキュメンタリーだし、これからもこのスタンスは続けていくつもりです。

    まさにタイトル曲の「一人じゃない」はどんな世代の人にも伝わりやすい楽曲に仕上がっていますよね。

    そこはめちゃくちゃ意識しました。書いては消して、5回も6回も作り直したんです。今回は自分だけでなく、多くの人の意見も取り入れ、“新しい寿君”を作りたかったんです。これまでと同じならメジャーの意味はないですからね。

    だからこその“一人じゃない”?

    あはは。そうですね。自分だけだったら引き出せなかったようなメロディーラインやリリック、さらに細やかな歌い方まで指導してもらってからレコーディングに取り掛かりました。そのおかげでただのラブソングにならずに、男同士の応援歌にもなるような、多くの人を励ます曲に仕上がったんです。これは自分の力だけではできなかったことですね。より自分の可能性を広げられた一曲になりました。

    メッセージ性がとても強い曲になりましたね。

    この曲は4月に発売するので、新生活に悩む人たちにも“一人じゃないよ”と背中を押す曲になっているんです。この曲を聴いて“明日も頑張ろう”って思ってもらえたら最高です。

    そんな聴きやすい「一人じゃない」とまったくカラーの異なる「GENERAL」はコアな楽曲ですよね。

    「一人じゃない」がこの作品の入口だとしたら、「GENERAL」は寿君の芯。これまでインディーズでやってきた延長線上にある曲だし、レゲエ発祥の地であるジャマイカで作りました。僕は定期的にジャマイカに行っているんですけど、その空気に触れることで現地の流行言葉などを探して、反映させているんです。さらに、現地の人たちと仲良くなることで改めて日本の素晴らしさにも気付けたんですよね。その想いをこの曲にしっかりと詰め込みました。

    現地の方たちとどんなやり取りをされていたんですか?

    ジャマイカでは“将軍”という意味で、リーダーシップがある人間のことを“GENERAL”と呼ぶんですよ。実は僕も現地でそう呼ばれていて。そこでジャマイカの自然や音楽、リゾート、宗教などの自慢話をたくさんされたんですよね。で、“日本だって海域を合わせたらすごい大きいんやで!”と対抗していくうちに、“ジャマイカは今火曜日の夜だけど、日本はすでに水曜日! 最先端を行く国なんだぜ!”と言ってみたり(笑)。そんな遊びのある話をしていきながらどんどん仲良くなり、生活のことや文化に触れていったんです。

    そこで生まれる音は日本にいたら生まれない音ですね。

    その通りですね。全てが違う国だからこそ感じるものを楽曲にして、さらに気付いた日本の良さを日本人に聴きやすいように噛み砕いて曲にする。そうやって僕にしか歌えない曲を作り続けていきたいと思っています。

    リリース後にはAK-69やHAN-KUN、APOLLOとのツーマンが決定していますね。

    タイトルも“一人じゃない”なので、尊敬するゲストを迎えてツーマンライヴをします。ライヴもこれまでと同じように好きなことばかりやっていてもダメだと思うので、寿君を知っている人はもちろん、知らない人も楽しめるようなライヴにしたいと思っています。

    それにしても、ジャマイカで暮らしたり、さまざまなシーンに飛び込んだりと、コミュニケーション能力が高いですよね。

    これがね、意外と人見知りなんですよ! 知らない人や女性ファンと話すのはものすごく苦手なんです。特に大阪のおばちゃんはいきなり畳み掛けてくるので話せなくて…。

    それはコミュニケーション能力とは違う気が…(笑)。

    あはは。これからはそんな人たちさえも虜にするような音楽を歌っていきたいと思っています(笑)。

    取材:吉田可奈

    寿君 プロフィール

    コトブキクン:2006年に出身地である奈良県でマイクを握り始め、2010年に“寿君”に改名。iTunesランキングやオリコンなどで上位を果たすなどインディーズで数々の記録を残し、YouTubeにアップされたPVは現在100万再生超えが10曲に到達! 20代を中心にその影響力も大きい。寿君 オフィシャルHP

    寿君
    EP『一人じゃない』